WordPressのテーマとプラグイン、どう使い分けるか — 利用方針の基礎

Web製作

WordPressを使い始めると、テーマの設定画面にもプラグインにも似たような機能があって「どっちで設定するのが正解なんだろう」と迷う場面が出てきます。

この記事は、 テーマ選定で迷っている人、プラグインを増やしすぎて管理が大変になっている人、将来のテーマ乗り換えを見据えている人 に向けて書いています。

自分も複数のWordPressサイトを運営してきた中で、プラグインを入れすぎて後悔した経験があります。更新が追いつかなくなり、プラグイン同士の相性問題で原因不明のトラブルが出たこともありました。

この記事では「テーマでできること」と「プラグインでできること」の違いを整理して、 「プラグインでできることはプラグインに任せる」 という設計の考え方を紹介します。「本当に必要なもの」だけを厳選する意識があるかないかで、後々の運営負荷がかなり変わってきます。

まず決めておきたいこと

WordPressを立ち上げたら、記事を書き始める前に「テーマとプラグインをどう使い分けるか」の方針を決めておくことをおすすめします。

ここで言う方針とは、「何を書くか」ではなく「WordPressのシステムをどう構成するか」の話です。外部の制作会社やシステム管理者と一緒に運営する場合は、この方針を共有しておくと後の作業がスムーズになります。

とはいうものの、いきなり「方針」という大きなテーマを示されても判断軸がありませんよね。以下、ひとつひとつ整理していきます。

基礎:テーマ (WordPress Theme) とは何か

WordPressのテーマは、サイト全体のデザインとレイアウトを決定するテンプレートです。テーマを選ぶことで、サイトの見た目が大きく変わり、デザインやレイアウトを簡単に統一できます。

自分はWordPressを2005年頃(WordPress ME時代)から触っていますが、海外テーマ → JIN → JIN:R → SWELL と乗り換えてきました。テーマを変えるたびに「前のテーマ専用の機能で書いた部分」の修正に苦労した経験があります。

テーマでできること

  • デザインの統一: テーマを選ぶと、サイト全体のデザインが一貫性を持ちます。見出しのスタイル、フォント、色、背景などが自動的に統一され、専門知識がなくてもプロフェッショナルな見た目を実現できます。

  • レイアウトの変更: サイドバーの位置やカラムの数を簡単に変更できます。テーマのカスタマイザーを使えば、直感的な操作でロゴの追加やメニューの配置変更なども行えます。

  • 便利な機能の追加: テーマによって、スライダー、ギャラリー、連絡フォーム、CTA(Call to Action)ボタンなどの便利な機能が組み込まれています。ここがテーマごとの個性が出る部分で、差別化の色が強く現れます。

メリット
  • 一度にデザインや機能を変えられる
  • 専門知識がなくても簡単にカスタマイズできる
  • 統一感のあるデザインが作れる
デメリット
  • 他のサイトとデザインが似てしまうことがある
  • テーマによっては、機能が多すぎてサイトの速度が遅くなることがある
  • テーマに依存するほど、将来の乗り換えが大変になる

テーマを使う上での注意点

テーマに依存しすぎると、将来的にテーマを変更する際に大幅な修正が必要になることがあります。特に、特定のテーマ専用の機能(例えば、吹き出しや特定のレイアウト)を多用すると、テーマ変更時にデザインが崩れるリスクがあります。

自分がJINからJIN:Rに移行したときも、吹き出しやボックス装飾の記法がテーマ専用だったので、記事ひとつひとつ手直しが必要でした。数十記事でもかなりの作業量です。

とはいえ、 数あるテーマの中からそのテーマを選んだわけですから、テーマ特有の機能を有効活用しなければもったいないのも事実 です。大切なのは、将来的な変更の可能性も考慮に入れて、あまりにもマイナーな機能を一貫性なく使いすぎないように意識しておくことです。

基礎:プラグイン (WordPress Plugin) とは何か

プラグインでできること

プラグインは、WordPressサイトに特定の機能を追加するための拡張機能です。プラグインを使うことで、基本機能だけでは実現できないさまざまな機能を簡単に追加できます。

  • SEO対策: メタタグの設定、サイトマップの生成、キーワード分析など、検索エンジン最適化に関する機能を追加できます。

  • セキュリティ強化: 不正アクセスの防止やスパムコメントのブロック、バックアップの自動化など、サイトの安全性を高めることができます。

  • パフォーマンス向上: キャッシュプラグインを使用すると、サイトの読み込み速度を高速化できます。

  • ソーシャルメディア連携: SNSのシェアボタンやフォローボタンの追加、新しい記事のSNS自動投稿などが可能になります。

  • その他あらゆる機能追加: WordPressのプラグインは公開されているものだけでも数万個存在しており、ないものを探すほうが難しいくらいです。そして、テーマの個性として組み込まれている機能の多くは、プラグインでも実現できます。この点が本記事で最も重要なポイントです。

メリット
  • 必要な機能だけを選んで追加できる
  • 特定の機能に特化したプラグインが豊富
  • テーマに影響を与えずに機能を追加できる(テーマ乗り換え時にも機能が残る)
デメリット
  • 多すぎるとサイトの速度が遅くなることがある
  • プラグイン同士やテーマとの相性問題が起こることがある
  • 更新管理の手間が増える

プラグインを使う上での注意点

プラグインは便利ですが、入れすぎは確実にトラブルの元です。自分も一時期20個以上入れていたことがありますが、半分以上は外しました。更新のたびにどれかが競合して原因を探るのに時間を取られる、という状況になったためです。

個人的な目安としては、 常時有効にするプラグインは10個以下に収めるのが健全 だと思っています。「あったら便利かも」程度のプラグインは、大抵なくても困りません。

プラグイン同士の相性問題や、テーマとの非互換性が発生することもあるため、定期的に見直して不要なものは削除する習慣が大切です

考察:運営方針の検討のための「テーマ」と「プラグイン」の特徴

結論、一言で表現すると「デザインと機能のバランスを取ろう」となります。ただし 「テーマ」と「プラグイン」の役割分担の境界線に100点の正解はありません 。サイトの目的や運用体制によって最適解は異なります。

どういうことなのか、具体的に深堀りましょう。

デザインの自由度

テーマを切り替えるだけでサイトの見た目・印象が一気に変わりますよね。Webデザインの経験がなくても、最初から専門家に頼んだかのような見た目で運営を開始できるのがテーマの強みです。

テーマは一度にデザインを統一できますが、その一方で細かいカスタマイズが難しいことがあります。この点、プラグインは特定部分に特化してのデザイン変更や機能追加が簡単にできます。自分はJIN → JIN:R → SWELLとテーマを乗り換えてきましたが、デザインの自由度はテーマごとにかなり差があり、実際に使ってみないとわからない部分も多いです。

サイト速度(パフォーマンス)の影響

テーマやプラグインの選び方によって、サイトのパフォーマンスに影響が出ます。複雑に作り込まれていない軽量なテーマや必要最小限のプラグインを選ぶことで、サイト速度を保てます。

一方、昨今のWebサイト運営においてSEO対策は常識中の常識で、その対策観点のひとつにパフォーマンスも重要であることは自明です。そのため多くの有料テーマは「このテーマを使うとパフォーマンスが劣化する」というレッテルを貼られたら大問題ですので、必ずといっていいほどパフォーマンス対策が施されています。それでもなお、テーマによってパフォーマンスの良し悪しに差があるのも事実です。自分が複数サイトを運用してきた経験では、SWELLは標準状態でのページ速度が安定しており、テーマ選定時にパフォーマンスを重視するなら有力な選択肢です。

カスタマイズの手軽さ

テーマは一度にカスタマイズできるので、初心者にも使いやすいです。プラグインは特定の機能を追加しやすいですが、管理が少し複雑になることがあります。適切なプラグインを選び、しっかり管理することが大切です。JINからJIN:Rへの移行時、テーマ内蔵の装飾機能に頼りすぎていた部分は全て手直しが必要でしたが、プラグインで管理していた機能はそのまま使えました。カスタマイズの手軽さとテーマ依存度はトレードオフの関係です。

プラグインを利用したカスタマイズを推奨する理由

結論、冒頭にも示した通り「プラグインでできることはプラグインに任せた方がよい」という方針を推奨します。理由は、「特定機能に特化したプラグインを新たなものに代替するのは簡単だが、特定機能のためにテーマ一式を取り替えようとすると大仕事になってしまうため」 です。

1. 柔軟性:必要な機能だけを追加

プラグインを使えば、必要な機能だけを追加できるので、サイトのパフォーマンスを維持しやすくなります。テーマに依存せずに機能を追加できるので、デザインの自由度も高まります。

2. 拡張性:特定の機能に特化したプラグイン

豊富なプラグインの中から、特定の機能に特化したものを選ぶことで、サイトを簡単に拡張できます。SEO対策やセキュリティ強化、ソーシャルメディア連携など、さまざまなニーズに対応できます。

3. メンテナンスの簡便さ:機能の追加とアップデート

プラグインの管理は少し複雑ですが、適切に管理することで、機能の追加やアップデートが簡単に行えます。定期的にプラグインを見直し、不要なものを削除することで、サイトのパフォーマンスを保てます。

4. 保守性:将来のデザイン変更に備える

「サイトのデザインをどの程度変更したくなるか」という点も考慮が必要です。例えば、将来的にデザイン変更を予定している場合、テーマに依存しすぎると変更が大変になることがあります。アナリティクス設定のような機能は、テーマではなくプラグインで対応するのがベストです。これにより、テーマ変更時でも機能が保たれ、再設定の手間が省けます。

自分がJIN → JIN:R → SWELLとテーマを乗り換えたときに実感しましたが、プラグインで管理していた機能(アナリティクス、SEO設定、お問い合わせフォーム等)はテーマ変更の影響を受けずそのまま動きました。一方、テーマ内蔵の吹き出し機能やボックス装飾に頼っていた部分は、テーマを変えたらすべて崩れてしまい、記事ごとに手直しが必要でした。この経験から、「プラグインに寄せておく」方針の価値を身をもって理解しています。

プラグインに特化して役に立った実例

手前味噌ですが小さな例としては、Google Analytics(アナリティクス) の設定方法についてです。

当サイトではテーマの機能に依存せずにアナリティクスの設定(トラッキングコードの記載)を行っていました。はじめは MonsterInsights プラグインを利用して実現していましたが、その後に Google の Site Kit を利用した方が便利だと気が付き、プラグインを乗り換えたことがあります。

この例においては、どのようなテーマを利用していたとしてもテーマには影響なく(関係なく)、純粋にアナリティクス機能のことだけを考えてシステムの検討が可能です。もしテーマに依存していたら、検討方法・説明内容も特定テーマを利用している人向けになってしまって、汎用的ではなくなってしまいますよね。

【最初のアナリティクス設定】

【乗り換え後のアナリティクス設定】

まとめ

テーマにはデザインを任せて、機能はプラグインで個別に管理する。この分離がテーマ乗り換え時のトラブルを最小限にしてくれます。プラグインは10個以下を目安に厳選するのがおすすめです。

テーマひとつで100点を目指すのは現実的に難しいです。かといってプラグインを片っ端から入れていくと、今度は管理コストと相性問題に悩まされます。

自分が複数サイトを運営してきた実感としては、「テーマにはデザインを任せて、機能はプラグインで個別に管理する」という分離が一番トラブルが少なかったです。テーマを変えたくなったときに、機能面の設定をやり直さなくて済むのが大きいですね。

「テーマで不足している機能だけプラグインで追加すればいいのでは」という考え方もありますし、間違いではありません。ただ、テーマ依存の機能が増えるほど、将来の身動きが取りづらくなります。そのバランスをどこで取るかは、記事にも書いた通りサイトの状況次第です。

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